50代からの新NISAは遅い?ポートフォリオとおすすめファンド

新NISAというと、老後2000万円問題を解決するための政府推奨の方法である、という事は知っている人も多いと思います。

「自分はやっていないけど、もうほとんどの人はやってるんでしょ?」

実は、新NISAを含むNISA制度を利用している人は、16%。国民6人に1人しかやっていません。まあ、これは人口比率なので、子供も大人も含んだ数字です。成人の比率はその倍くらい、およそ3割程度の人しか、まだNISA口座を所有していないのです。

「でも、50代の自分が今からやるには、遅いよね」

NISAは投資なので、20代には20代のやり方、50代には50代のやり方があるのです。だから決して遅くはありません。

新NISA制度は、とても大きな税優遇制度があるので、50代からでも、それを利用しない手はありません。今からでも十分、資産を増やせます。

この記事を読むと

  1. 50代から新NISAをやるべきかどうか?
  2. 50代のポートフォリオ
  3. 50代に有利な運用銘柄

が、自分の中でしっかりと固まるようになるので、ぜひ読み進めて参考にしてください。

50代の強みとは?

新NISAは証券口座ですから、これから購入していくのは当然、投資商品となります。

20代など新入社員ですと、まだまだ預貯金を多く持っている人は少ないでしょう。だから、基本は積立ベースを重視します。

それに対して50代ともなると、サラリーマンであれば会社の役職に付き、毎月の給料もそれなりの金額になっているでしょう。また少々の貯蓄もある人も多いです。

つまり50代の強みは、若い人たちと比べて、現預金を多く持っている人が多いのが強みです。若い人なら手持ちの資金が少ないので、毎月コツコツと積み立てるしかない資産運用が、50代ともなると「ポンッ」とある程度の現金(100万円とか200万円とか)を投資に回せる可能性が高いです。

これが50代から新NISAを始める人の、絶対的な強みと言えます。

新NISAの仕組みを知ろう

新NISAが初めての人には、少し分かりづらいかもしれませんが、ココでは出来るだけ分かりやすく説明をしていきます。

J子さん

そもそも新NISAの「新」って、

じゃぁ古いNISAもあるんですか?

モノ知りくん

はい、実はあります。

でも、今から始めるなら
自動的に新NISAになるので、
心配は要りません📢

新NISAは今年2024年1月1日から制度改正で始まった為、今から新規にNISAを始める人には、自動的に新NISAしか無いので、安心してください。今から始めるNISAはすべて「新NISA」です。

2024年からスタートした新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という、2つの種類があります。

  1. 月々積立てをして、お金を貯めていく(運用する)のが「つみたて投資枠」
  2. まとまったお金を貯金する(運用する)場所が「成長投資枠」

という2つです。

まず、月々に金額を設定した「つみたて投資枠」は、いわゆる定期預金みたいなもの。毎月コツコツと貯めていきます。この積立投資枠は1年間に120万円まで積立てられますから、月に割ると10万円/月以内で貯めていきます。ここで「貯める」と言いましたが、これは現金ではなく投資信託や株式など、投資銘柄となりますので、実際には「貯める」のではなく「運用する」が正しいです。

次に「成長投資枠」の説明です。これは月々定額を積み立てるのでは無く、1年間に240万円まで投資商品(銘柄)を購入することが出来ます。

つみたて投資枠が年に120万円まで、成長投資枠に年240万円合計1年に360万円まで、非課税で投資商品を購入出来ます。

そして、つみたて投資枠と成長投資枠の合計購入額が1800万円に達したところで、新NISAの非課税枠は終了します。終了といっても、非課税枠をこれ以上増やせないだけで、1800万円までの今まで購入した銘柄はそのまま継続して運用できる、という制度が新NISAです。

なお非課税というのは、購入するのは運用銘柄ですから、当然運用益(損)がでてきます。その運用した利益に対して、通常ですと20.315%の税金が引かれるのですが、新NISA口座の場合は上限1800万円までの運用銘柄に対する利益に掛かる税金が免除される、つまり1800万円までの利益は非課税で全額をもらえてしまうのが新NISAです。

ですから、50歳を過ぎても、これはもう新NISAをやらない手はないですね。十分に利益を出せます。下表に概要をまとめましたので参考にしてください。

つみたて投資枠成長投資枠
年間投資枠120万円/年240万円/年
非課税保有期間無期限
非課税保有限度額1,800万円
(成長投資枠のみは1,200万円)
口座開設期間恒久化
投資対象商品積立・分散投資に適した一定の投資信託(現行と同じ)上場株式・投資信託など
対象年齢18歳
現行制度との関係性現行NISAと新NISAは別枠。現行から新NISAへの移行(ロールオーバー)は出来ない

50代のポートフォリオを作るとこうなる!

新NISAは証券口座ですから、購入していくのはすべて「株」や「投資信託」などの運用商品となります。

つまり投資ですから「ハイリスク・ハイリターン」とか「ローリスク・ローリターン」など、程度の差はあれリスクが生じてきます。

ここでは、それら個別の説明は省きますが、20代、30代などの若年層とは違う、50代の戦略というものがあるはずです。それを考慮した上で、投資商品を決めていくことが重要になってきます。

50過ぎたら「守りながら攻める」戦略を取る

20代~40代なら「少々リスク高めで攻めてみて失敗したら、方向転換する」運用も十分可能です。なにしろ時間がまだまだ数十年もありますから。

でも50歳過ぎたら、定年まであと10年程度。失敗している時間的余裕はありません。ですから、50代からの資産運用戦略は、「守りながら、でも利益を最大化する」という戦略が良いです。守るのですが、守ってばかりでは資産は出来ませんから、積極的な資産運用も同時に行うことが必要です。

ですからポートフォリオ(運用構成)もおのずと、若い人達とは違ってきます。

「安定」 + 「利益」

50歳を過ぎたら、この戦略で資産を増やしていきます。

50代から運用するべき銘柄は?

【戦略1】「リスクを最小限にしたい」人

「本当に守りたい、リスクは最小限にしたい」人は、株式ではなく「債権」メインの投資信託がおすすめです。

私は(個人的には)このような超安全投資戦略は、あまりおすすめしないのですが、「やっぱり安全第一が良い」という人は、債権メインの投資信託にしてください。

ただしローリスク・ローリターンですから、今ある現預金を出来る限り守る戦略になるので、利益はあまり期待できません。が、ただ現金を貯金しているよりは、利益は多くなります。

とにかく「安全に」今持っている資産を守っていきたい人には、おすすめの戦略です。

【戦略2】「守りながら普通に攻めたい」人

新NISAに用意されている銘柄は、ほとんどが低めのリスクの商品が多いです。ですから、銘柄選びにあまり神経質になる心配は要りませんが、その約180本ほどの投資信託の中でも、これが一番間違いないであろうという銘柄を、ここではご紹介します。それは・・・

①eMAXIS Slim全世界株式(全世界株式)

イーマクシススリムと読みます。これは世界約70ヶ国の株式約3000銘柄に分散投資をした商品で、

1.日本を含む世界に分散(同時に通貨も分散されている)
2.3000企業の株式に分散
3.直近利回りが45.62%、5年平均で16.94%

と、多くの分散でリスク回避率が高く、しかも運用利回りが今とても大きいので、新NISAでも1番人気です。

eMAXIS Slim全世界株式に1本がけにすると、【戦略4】の放ったらかし投資になり、これだけでも5~10年新NISAに放置することで、それなりの資産形成が期待される銘柄です。直近利回りは45.62%と、絶対に外せない1本です。

➁ひふみプラス(日本株式メイン)

ひふみプラスという銘柄は、ファンド会社にしては珍しい東京に本社を置くレオス・キャピタルワークス㈱という日本企業です。月例報告会など「顔の見える運営」をうたう、信頼できるファンド会社です。

運用開始から16年で、元本を7.4倍に伸ばした、非常に優秀な投資信託です。

「守りながら普通に利益も攻めていきたい」戦略では、上記①eMAXIS Slim全世界株式を50~75%程度、➁ひふみプラスを50~15%程度を組み合わせて、2つを運用するのがおすすめです。どちらもSBI証券、楽天証券で購入できます。

【戦略3】「守るけど、もっと積極的に攻めたい」人

【戦略2】以上に、もっと積極的な銘柄を運用して、利回りを大きくしたい人には、上の➁で紹介したレオス・キャピタルワークス㈱のひふみの「全世界」と「日本株メイン」で構成すると良いでしょう。

①ひふみワールド+(世界株式)

ひふみワールドプラスは全世界の優良株式に投資をするアクティブファンドです。運用実績は開始から約5年で、元本を2倍超にしている優秀な投資信託です。

➁ひふみプラス(日本株式中心)

それに対して「ひふみプラス」は日本株式約90%を占める、アクティブファンドです。運用開始から16年ほどで、元本を7.4倍にも増やしている、非常にアクティブで優秀な投資信託です。

分散投資という意味で、①の世界株式と、➁の日本株式中心、の2つを同時運用すると良いでしょう。どちらも、SBI証券、楽天証券で購入できます。

ひふみシリーズは、投資信託の中でも利益を追求するアクティブファンドという投資信託です。運用会社のレオス・キャピタルワークスは、利益追求をしながら、経済が不況になると思い切ったリスク回避ができる運用会社として有名であり、そこがおすすめする理由です。

【戦略4】「放ったらかし」てリスク軽減&利益追求したい人

実は、商品を購入したら、あとは放って置く「放ったらかし投資」は、とてもおすすめです。

新NISAで資産を増やす絶対条件は、しばらくの期間(最低でも5年~10年)は、そのまま放置することが必要です。新NISA口座が1800万円に達するまでは、コツコツと「つみたて投資枠」で毎月積立てていく、そしてボーナスとか預貯金がある場合は「成長投資枠」で年240万円以内で投資商品を購入する、そして・・・

放ったらかす!

これが新NISAでのお金の増やし方です。

購入する銘柄はただ1本のみ!

eMAXIS Slim全世界株式

です。SBI証券、楽天証券でNISA口座を開けば、すぐに始められます。

投資が趣味ではない人、面倒なことはやりたくない人には、絶対におすすめする新NISA「放ったらかし投資」です。ぜひ、チャレンジしてみてください。

eMAXIS Slim全世界株式(通称オルカン)の1本運用という、究極の「放ったらかし投資」は、じつは非常におすすめです。世界の優良株式3000株にリスク分散し、しかも世界約50ヶ国の通貨に分散された、全世界株式は、世界のインデックス指標に連動した利回りを期待できる、スグレモノです。

ネット証券に口座を作ればすぐ始められる

新NISAの利用の仕方は簡単です。

まずは証券会社・銀行に証券口座を作るのですが、

  • 手数料の安さ
  • 24時間いつでもアクセス可能である
  • 新NISAに投資できる商品が圧倒的に多い
  • 営業員からの売込が一切ない

という理由から、ネット証券に新NISA口座を開設するのがおすすめです。ネット証券にもいろいろとありますが、以下のSBI証券か楽天証券なら間違いはありません。この2社がネット証券業界を代表するトップ2です。

  1. SBI証券
  2. 楽天証券

ネット証券2TOPの新規NISA口座の開設は、以下の外部サイトに詳しく載っていますので、参考にしてください。

【資産maker】初心者が短時間で資産を作る【超】新NISA

50代は、そろそろ定年も視野に入る時期です。子どもが独立すればさらに家計に余裕ができ、投資をするには格好の時期となります…

まとめ

結論として、新NISAでの資産形成は、50歳を過ぎたからと言って、決して遅くはありません。

むしろ50代だから、若い人たちよりも預貯金を多く持っているのではないでしょうか?そうなら、これは絶対に有利です。ぜひ、今からでも新NISA口座を開設して、すぐにでも非課税で資産形成に乗り出しましょう。

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