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孤独死(病死・自然死・事故死)は事故物件にならない?判断基準と告知義務

高齢化社会になった日本の今、ひとりで住む高齢者の割合が非常に多くなりました。
内閣府の令和2年度の調査結果によると65歳以上の一人暮らしの割合は男性15.0%、女性22.1%となっており、年々増加傾向にあるのは周知のとおりです。

その結果として、私たちの親・兄弟の一人暮らしで、自然死、病死、事故死など、もう他人ごとではありません。いつ直面しても不思議ではない時代に、私たちはいます。

この記事では・・・

  1. 老衰、病気、事故等で死亡したら事故物件になるのか
  2. その判断基準は?
  3. 告知義務をする必要があるか?

という疑問を分かりやすく解説します。

事故物件とはなにか?

事故物件とは、孤独死、病死、事故死、自殺、他殺事件などが発生し、入居者が亡くなる場所となった物件を指します。亡くなる原因はさまざまですが、大別すると『殺人』『自殺』『自然死』の3種類となります。

新たな購入者・入居者がどのように感じるかは人それぞれですが、基本的には「事故物件」というと、敬遠する人が多いのが心情でしょう。

事故物件を売買する、または賃貸する場合に、その価値は当然下がります。下は売買時の一般的な相場感です。

事故物件の一般的相場
死因相場価格
自然死・事故死・孤独死の場合一般価格の10〜20%ほど下がる
自殺の場合一般価格の20〜30%ほど下がる
他殺の場合一般価格の30〜50%ほど下がる

事故物件とする判断基準は?

たとえば生活の中で、家族の誰かが急に病気で死亡してしまったり、階段から落ち打つどころが悪く死亡したりしたケースもあります。このような場合でも、その家は事故物件というのでしょうか?

答えはノーです。

「亡くなった部屋=事故物件」ではなく、あくまでも事例ごとに決めるのが一般であり「通常抱くマイナス感情」と照らし合わせながら、各不動産仲介業者が事故物件とするかどうかを判断します。

その判断基準は国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」というものを公表していますので、これを基準と考えて良いでしょう。

実はとても曖昧です。

売却するも、賃貸にするも、告知は必要か?

結論から言うと、事故物件とみなされた物件には告知義務が発生します。ガイドラインで制定されている事故物件の告知期間は3年ですが、自然死や不慮の事故によるものであれば告知は不要、つまり事故物件では無いとされます。

事故物件の定義自体が曖昧なので、告知義務があるのか無いのか、迷うグレーゾーンも多いのが現状です。

自殺や他殺などの事件や、孤独死でも発見まで時間が経ち遺体の損傷が激しかった場合、家に臭いや汚れ、虫の発生などが認められた場合は、やはり事故物件として3年間の告知義務が発生します。

ただ事故物件であると告知をすると、その物件は「事故物件」として、資産価値が下がります。それを避けるために、グレーゾーンの場合「告知しない」選択をしてしまい、あとあと「知っていたら買わなかった。賃貸契約しなかった」などをクレームされる場合もでてきます。

こうなると、最悪のケースでは裁判沙汰となることもあるので、関係する不動産会社にはその旨相談することが必須と思っていてください。

告知義務のまとめ

  • 告知義務の事案がある場合は、隠さず告知する
  • 賃貸借取引の場合告知義務は原則3年
  • 売買取引は告知義務が継続する
  • 社会的影響が大きかったり入居者から問われた場合は告知が必要
  • 入居者とのトラブルが起きた場合は、国交省ガイドラインに従う

告知義務はグレーならしないで、その物件を高く貸したい、売りたい、とついつい考えがちになりますが、その後に大きな問題に発展しないよう、関係する不動産会社等と良く相談をしてください。

面倒だから「空き家」で放ったらかした場合の2大リスク?

突然相続した物件が事故物件で、告知したら売りにくいし、貸しにくいし、自分で住まないし、もう面倒くさい!

こう思ってしまいがちですが、その物件を放ったらかしにしてしまうと、さらに面倒なことになります。

【リスク1】相続登記をしなかった場合

令和6年4月1日付けで、相続した不動産の「相続登記」が義務化されました。相続登記というのは簡単に言えば「所有者の移転」を新たに登録する事です。

この登記を3年以内にする必要があり、それを怠ると10万円の罰金が課せられます。

とここまでは、法律上の問題ですが、じつはこんな問題よりももっと大きな危険があります。それは・・・

相続登記をせずに放って置くことで、その事故物件の相続人が爆発的に増えてしまう事例が多々あります。こうなると大変で、自分だけが相続人であった物件が、数年で法定相続人が99人にも膨れ上がった!なんて実話があります。

相続登記は絶対にすぐに済ませましょう!

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【リスク2】空き家として放ったらかす場合

リフォームする資金も無いし、貸すのもイヤだし、売却も面倒だ!といって自分も住む予定は無い!

なんていう場合、そのまま「空き家」として放ったらかす人も、実はかなり居ます。

以前は自治体なども目くじらを立てることも少なかったのですが、令和5年から「管理の悪い空き家」には、空き家減税を与えない、という条例が出来てしまいました。

もし、状態が悪い空き家である「管理不全空家」や「特定空家」と指定されれば、最悪、固定資産税が6倍に膨れ上がるリスクもあります。

ですから、空き家として所有し続けるのであれば、最低のメンテナンスは必ずするようにして下さい。

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結論は・・・

1相続登記は絶対にすぐやる

2空き家のまま放っておかない

この2点は心して守りましょう。

結局どうしたら良い?

突然の事故物件を相続してしまった場合の解決策を考えましょう。

物件を相続したのですから、今のうちに

  1. 自分で住むか
  2. リフォームして賃貸にする
  3. できるだけ高値で売却してしまう

を決めましょう。そして、決めた方向性で処理をします。

1.自分で住む

自分で住むのであれば、何も心配事はありません。ただ、上述した「相続登記」は必ず済ませてください。

2.リフォームをして賃貸にする

賃貸するには、ほとんどの場合リフォームが必要です。リフォームの資金が必要ですが、相続登記を済ませていれば、物件を担保にローンを組む事も可能です。テナントが入れば、その後は不動産投資として家賃を稼げます。

告知基準など管理会社と協議をしながらビジネスを進めて下さい。借り手が多い地域の物件であれば、順調な賃貸ビジネスが出来るでしょう。

3.できるだけ高値で売却したい

自分で住む予定が無く、賃貸住宅として所有する意思もない場合には、売却となります。ただ事故物件ですから、通常の不動産屋さんには荷が重いケースも多く見られます。

不動産会社にとって、事故物件の売買には、精神的瑕疵や風評被害を理由に、相場以下に買い叩いてくるケースが多々見られます。また「できない」と取引を断ってくる不動産屋も多いようです。

そのような時は、事故物件など「訳あり物件」を専門に買取ってくれる特殊な不動産会社もあります。このタイプの専門不動産会社では、社内に法務チームを揃え、法的問題もすべて一任できるところが強みです。

買取専門の不動産会社は、一般の不動産屋のように買い手を探して仲介する訳ではありませんから、

  • 仲介手数料が掛からない
  • 買取なので最短7日程度で買取完了
  • 事故物件専門のため最高値で取引可能

といった、一般不動産会社には無い特徴があります。

つまり事故物件に特化しているので、売却価格が一般と比べ高くなる傾向がある事と、仲介手数料が掛からない事の相乗効果で、売却価格が高値となる可能性が高くなります。

また直接買取となるので、契約完了後の支払いが早く、最短で7日というケースもある、という特徴があります。

売却を考えるのであれば、一度連絡を取ってみるのも一案です。

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